スポーツジムの内装工事・なるべく初期費用を抑えるためのポイントを解説
スポーツジムの開業時に行う物件の内装工事で、初期費用を抑えるためのポイントを解説している記事です。スポーツジムは、規模により開店のために準備すべき費用は大きく異なりますが、初期費用を抑えるためのポイントは変わりません。
スポーツジムの開業時にかかる費用の中で、多くの割合を占めるのが物件の取得費用と、内装工事費用です。経営者なら、なるべく手持ちの資金をセーブしつつ、今後の安定経営につなげたいものですが、なかなか削れる部分がないのが難しいところです。
比較的費用を抑えやすいのは内装工事費用です。内装工事費用は、お金をかけようと思えばいくらでもかけられますが、節約しようと思えばかなり節約可能です。スポーツジムの開業は急ぎたいけれども初期の出費は極力抑えたいという方のために、お金をかけずに内装をデザインするポイントを解説します。
スポーツジムの内装工事の作業
スポーツジムの内装を一から作る場合は、以下のような作業を行います。
内装工事
壁や天井、フロアにクロスやタイルを張る作業です。壁を作るなどの間取り変更を行う場合もあります。スポーツジムなので、屋内コートなどを設置するとなると、かなり高額の工事費用がかかります。
家具・建具の導入
受付や待合室に設置する家具類、窓や扉などを設置する作業です。導入する家具のグレードにより費用は大きく上下します。ジムはロッカーを多く設置することが多いので、家具や建具にお金がかかりがちです。
電気や換気設備の工事
電気の配線、空調設備、換気扇などの工事です。物件で使える電気の容量が不足している場合は、容量を増やす工事をしなければなりませんが、この工事をするとなるとかなりお金がかかるので注意が必要です。
給排水設備の工事
スポーツジムでは、トイレやシャワーを設置する作業などがこれにあたります。新しくプールやジェットバスなどを設置するとなると、設備の導入や特殊な処理を行う必要があるため、工事費用が高額になります。
スポーツジムの内装工事の費用を抑えるには
スポーツジムの開店時、なるべく初期費用を抑えるには、内装工事にかかるお金を削るのが効果的です。内装はスポーツジムを運営するうえでとても重要な要素ではありますが、物件選びやアイデアをしぼり出すことで、魅力的な内装を作り上げることは可能です。
居抜き物件に絞る
スポーツジム向きの物件には、その名のとおり骸骨状態の「スケルトン物件」と、直前まで誰かが入居していて、設備がそのまま残されている「居抜き物件」の2種類があります。スポーツジム開店時の初期費用をできるだけ抑えるためには、この居抜き物件に絞って物件を探すことをおすすめします。
居抜き物件は、完全にそのまま使えるわけではありませんが、工事にお金のかかる設備、たとえば、シャワー室などの給排水設備、エアコン、電気、換気扇などがそのまま使える状態であれば、かなりのお金をセーブできます。壁やフロアなどの内装もそのまま使える状態ならパーフェクトです。ただし、ジムのコンセプトやジムとして最低限備えるべき清潔感などのイメージは実現できることを条件に選ぶ必要があります。
高価な内装材は避ける
ピンキリという言い方は語弊があるかもしれませんが、内装材は値段の差が大きいため、高級なものを選ぶと必然的に費用は膨れあがります。ただ、高級なものとはいっても品質的な差はほとんどなく、異なるのはデザインぐらいの場合もあるので、よほどのこだわりでもない限りは高価な内装材を使う意味はあまりありません。高価な内装材を使うにしても、ユーザーの目につく場所に絞るなどの工夫をすると、かなりの費用を節約できるでしょう。
相見積りで見積りを比較する
最近は、インターネット上でも店舗の内装工事業者を探せるようになりました。一軒一軒、あたっていってもいいのですが、おすすめは比較サイトの利用です。比較サイトはいくつかあり、リサーチを重ねて3~4社程度に絞ったら、どのサイトでも一括で見積りを依頼できるようになっています。それぞれの見積りを比較して、これぞという業者を選ぶわけですが、当然ながらインターネット経由の見積りはあくまで仮のものなので、必ず現場をチェックしてもらうことが重要です。また、一番安い見積りを出す業者が、一番いい業者というわけでは決してありませんので注意しましょう。
スポーツジムの内装をデザインする際の注意点
初期費用を安く上げることはひとまず置いておいて、スポーツジムの内装をデザインする際の注意点についてご紹介します。
スポーツジムの目的を明確にする
スポーツジムの目的を明確にしないと内装デザインはできません。目的が異なれば、導入するトレーニング機器も異なるからです。総合フィットネスジムの場合は、あらゆるトレーニング機器をそろえなければなりませんが、パーソナルトレーニングを行うジムなら、それほど多彩に機器をそろえる必要はありません。ブートキャンプ的なジムの場合は、筋力を鍛えるためのトレーニング機器を中心にそろえることになるでしょう。このように、オープンするスポーツジムの目的を明確にすれば、必要のない機器を導入してしまう無駄もなくなります。
スポーツジムのコンセプトを明確にする
ジムにはそれぞれコンセプトがあります。コンセプトがなければ、ユーザーが通いたいと思えるようなスポーツジムを作ることはできません。もちろんこれは「フィットネスジム」と「パーソナルジム」というジムの種類の違いではなく、先ほどの目的とも異なります。コンセプトは、ほかのライバルジムとは一線を画す、強いメッセージになるものです。
トレーニング機器の重さに注意
トレーニング機器は重量物です。ユーザーのニーズに合わせてトレーニング機器はさまざまなものを導入したいところですが、大きくて重いトレーニング機器を、そう何台も導入するわけにはいきません。建物のフロアには、構造計算による耐荷重が定められているからです。テナントビルの場合は300kg/㎡、マンションの場合は180kg/㎡なので、トレーニング機器を導入する際は、内装デザイン業者に耐荷重を考慮した機器の配置場所をデザインしてもらうといいでしょう。ちなみに耐荷重は、オーナーにお願いして図面で確認することをおすすめします。
クリーンな雰囲気の演出
スポーツジムは、心身の健康を向上させるための場所ですから、ヘルシーでクリーンな雰囲気作りをするようにしましょう。特に目が届きにくくなるトイレやシャワールームは、スタッフを常駐、もしくは巡回させ、常に清潔な状態を保たなければなりません。トレーニング機器も、スタッフを巡回させて小まめにクリーニングするようにしましょう。
動線を確保する
スポーツジムの内装をデザインする際は、ユーザーとスタッフの動線を考慮する必要があります。エントランスから受付、ロッカールームという流れはもちろん、機器と機器の間隔やトレーナーとユーザーの距離感なども考慮してデザインしましょう。
まとめ
スポーツジムの内装デザインについて、なるべく初期費用を抑えるという視点でご紹介してきました。スポーツジムは、物件選びと少しのアイデアで、初期費用を抑えて開業することが可能です。コンセプトやユーザーの利便性を考慮しながら、通いたくなるスポーツジムのデザインを考えてみてください。